焼酎文化は海を越える!「かんろ」をシチリア人が旨いと言った!

このblogを始めてからやろうとしていたことがあります。それは、「外国の人に芋焼酎、かんろを飲ませて反応を観たい!」ということです。ご存じの通り、世界には芋を使った蒸留酒があります。例えばポルトガルのアクアビットはジャガイモを使った酒ですね。しかし、サツマイモを使った蒸留酒はそんなにききません。日本の芋焼酎を、外国の人はどう感じながら飲んでくれるのでしょうか?

そんなことを思いながら、1月下旬に10日間ほど、イタリアのシチリアに行って来ました。私がよく行く下北沢のシチリア料理店「無二路」の重(しげ)シェフとの食い倒れ旅行です。そのblogシチリア旅行編は、私の食い倒れ日記をご覧下さい。

で、、、実はこの旅に持っていったわけですよ、「かんろ」を。持っていったのは、最もオーソドックスな「かんろ」と「特製かんろ」、そして「かねきょうかんろ」の三種です。重かったぁ!

シチリア滞在は、シラクーサという港町から始まりました。まず今回の旅の中で重要なガイドとなってくれたパスクワリーノという人物が居るのです。

「ケンズィ!(←私の名前)これは旨いから食べろ!あ、でもその前にこの角度から写真を撮れ!」というように常にハイテンションで案内しまくってくれました。彼と、彼の弟のロベルトが経営する「イオニコ」という店が、シラクーサの海を見渡せる湾内にあります。

この店ではシラクーサの伝統料理を堪能できるので、ついつい食べ過ぎて満腹になってしまいました、、、さてその食後、イタリア人には欠かせないドルチェをこれまた腹一杯に詰め込んだ後、おもむろに「かんろ」を取り出しました。

「実はこれは日本で人気のある、芋を使った蒸留酒なんだよ!」

どう訳すかというのがとても難しかったのですが、「グラッパ・パターテ」と言ってみました。グラッパはイタリアの有名な蒸留酒で、原料はブドウですね。つまりワインを蒸留した、度数も高く強烈なアタリのある酒です。パターテとは、ジャガイモのこと。芋焼酎はサツマイモからできますから本当は違うんですが、それ以外に言いようが無いのでそう表現しました。

「ふうん、そうかそうか」

などと言いながらパスクワリーノが口をつけます。

口に含んで空気を入れ、鼻に抜ける香りを楽しみながらニコッとしました。

「ヴォーノ!(美味しい)」

よかった、、、第一関門は突破です。

「美味しいね、、、芋の香りがほどよく残っていてとてもいい。飲み口もマイルドだ。ただ、グラッパというには度数が弱すぎるね。もっと喉の奥がかーっとなるくらいでないとね。」

とパスクワリーノが続けます。なるほど、グラッパは度数が高く、強烈な印象を残す酒です。25度の芋焼酎では、彼らには少々物足りないかもしれません。

ロベルトが一口含んで、同様の感想を述べた後、「ちょっと待ってろ」と言ってなにやら瓶を抱えて帰ってきました。

緑色の瓶は、なんだかラムネのような印象を与えます。ちょっとこの段階ではあなどっていました。

無色透明の液体をグラスに注ぎ、口に含んだ瞬間、グワッと強いアルコールの刺激と、何とも言えない甘く深い香りが鼻を抜けていきました!

「うおっ 強い! 、、、けど旨い!」

このお酒、なんと蜂蜜から作られる蒸留酒でした。そう言われてみればなんとなく、蜂蜜の甘い香りを感じます。

「これくらい強い方が俺たちにはいいね」

といいながら彼らはカパカパとグラスを空けていきます。ああすごいな、、、これに対抗するには、かんろの原酒を持ってくるべきだったかもしれません。芋焼酎は通常、割り水をして25度などに調整していますから、その前の原酒であれば彼らも納得するはずです。課題ができてしまいましたね。

さてその翌々日は、重シェフが厨房で修行をしていた第二の舞台、「ホテル・ネッチューノ」という海辺のリゾートホテルです。



ロビーにあるバーでは、「ちょっと飲んでいきなよ」と呼び止められました。

彼が握っているのはマルティニの瓶。甘い甘いマティーニをちびちびやるのがイタリアっぽくて佳い!

厨房に入ると、みんなが喜んで重シェフを迎えます。

「なんだよキーコ(重シェフの愛称)!立派になって戻ってきたな!」

日本人の器用なてさばきは、戦場となるホテルの厨房でもかなり重宝されたようです。さて、彼らは午後の休憩中ですが、ちょうどいいのでかんろを飲んでもらうことにしました。

料理長も興味津々。口に含むと、「フーム」と唸って喉に通します。

「旨いね。確かに芋の酒だ。それと甘さを感じる。ヴォーノだよ!」

また重シェフの悪友という、いかにも濃いキャラクターの彼もグビッと飲んでくれました。

「おお、美味しいね。うんうん、ちょっと弱いけどグラッパだね。」

といいながら、プラスチックカップに2杯分、カパッカパッと飲み干していました。

こんなにダイナミックな彼らが作る料理はさぞかし豪快なんだろうと思っていたら大間違い!こんなに繊細な盛りつけの前菜を出してくるんですよ!びっくりしてしまいました。

重シェフも古巣での歓待に大満足の様子です。

「やっぱりグラッパって言ってしまうと、彼らには強い酒というイメージがあるから、少し違う感じにとられるね。」

イタリア人に伝わるなにか新しい呼び名を考える必要がありますね。今度は原酒を持っていって、「うおッ、ストロングだな!」と叫ばせてやりたいものです。

と、こんな感じでシチリア人達も「芋の香りがしてほんのり甘い蒸留酒」として芋焼酎を認めてくれたようです。

さて皆さん、このblogは今回で一旦終了します。お楽しみいただけましたか?芋焼酎を色々な側面から楽しんでみるために、お店への突撃取材あり、焼酎文化の掘り下げあり、外国出張ありと、本当に書いていて面白いことばかりを体験できました。ことの発端となったのんべえ川柳にも秀作が集まり、かなりびっくりしました。酒飲みと川柳は共通するんですね。そして、私の右腕となって飲みまくってくれた利き酒師・ちえちゃんにもどうもありがとう!ワインエキスパートの資格も取得し、これから彼女は料理・酒の世界で羽ばたいていくでしょう。ぜひ皆さんの応援をお願い致します。

そして京屋酒造のかんろを、皆様どうかよろしく。宮崎市内の料亭の板長が「これが宮崎焼酎のスタンダードですわ」と言う焼酎です。僕も今後一層、飲みまくっていきたいと想います。

では、またどこかでお会いしましょう。その時は「かんろ」お湯割りを一緒に飲みながら、、、

投稿者 Admin : 2005年03月15日 08:50


やっぱり冬は熱燗!「黒ぢょか」で「かんろ」を温めて飲んでみた

焼酎飲み方提案

s-kurodyoka.jpg冬至が過ぎて随分経ち、どんどん日が長くなってきたのを感じる今日この頃ですが、一向に寒さがやわらぐ気配はないですね。こんなときはやっぱり、温かい飲み物で体をほっと休めたくなります。

前回のやまけん氏のエントリで、日本酒の達人工藤さんは「焼酎も燗にするのが一番」とおっしゃっていましたね。「湯せん」で温める燗もありますが、焼酎には他にもとっておきの「お燗」の方法があるのをご存知ですか?

それが、この黒ぢょかを使って温める方法なのです。

kanro.jpg「黒ぢょか」とは鹿児島県に伝わる、焼酎を温める急須のような形をした酒器のことです。焼酎を水で割って(割り水)数日間寝かせたものを黒ぢょかに入れ、弱火にかけて温めて飲むというスタイルが一般的です。まさに寒さが厳しいこの時期にうってつけの飲み方です。(ちなみに割り水をしなくてももちろん熱燗にすることはできますが、割り水をすることにより、さらにまろやかになります。詳細は前回のやまけん氏のエントリを参考にしてください。)

私は普段、焼酎はロックで楽しむことが多いのですが、近所の酒屋さんでこの黒ぢょかを発見して以来気になっていて、ぜひ自宅で試したみたいなーと思っていました。
そしてついに購入してしまいました!

お店では黒ぢょかで温めた焼酎を飲んだことがありましたが、家で楽しむのは初めてです。どんな仕上がりになるのか、ワクワクします。

今回使ったのは「かんろ 25度」。この焼酎は、ローソンにて購入可能です。「黄金千貫(コガネセンガン」という芋焼酎ではおなじみの品種を使った、昔ながらの重厚な味わいが特徴のものです。

今回はかんろ6:水4の割合であわせ、一晩寝かせました。水は硬質のものはミネラルの味が焼酎に影響するので、軟質のミネラルウォーターを使いました。

s-ami.jpgs-aminose.jpg

こうして寝かせたものを火にかけるわけですが、黒ぢょかには直火で使っても大丈夫なものと、直火を使うと割れてしまうものがあるのでご注意!今回私が買ったものは、底が素焼きになっていておそらく直火OKのようでしたが、念のために魚などを焼く網を購入し、その下からガスコンロで温めるという方法をとりました。

弱火にじっくりかけて約10分。ふたの部分をさわってみて、じんわり熱くなってきたところで火を止め、お猪口に注ぎます。

s-sosogu.jpgうっすらと漂う湯気とともに、ふわっと香る上品な芋の香り。飲む前から美味しそうです。

実際に飲んでみます。

温まっているせいか、ロックで飲むよりもより強い芋の風味が楽しめます。鼻に抜ける芋の香りが力強く、口から喉、胃を伝う、じんわりとした温かさが心地よいです。体が芯から温まります。

そしてかんろ6:お湯4で割ったものと比べてみます。黒ぢょかに入れた焼酎は割り水をしているので、お湯割りと比べるというのは厳密な比較方法ではないのですが、お湯割りのほうが、焼酎のピリっとした感覚がダイレクトに舌に響く気がします。

一方、黒ぢょかで温めたほうはピリッとした感覚は和らぎ、マイルドな甘みが増す感じがしました。

さらに、温める前の状態の味も確かめようと、割り水をして一日置いたもの、直前に水割りしたものを常温で飲み比べてみました。

割り水をしたほうは、甘みが控えめでさっぱりとした飲み口でしたが、直前に水割りしたほうは芋の甘みが比較的強くでてきました。

温度の違いはありますが、最初に感じる刺激の強さで順位をつけるとするならば、直前に水割り+黒ぢょか>お湯割り>割り水+黒ぢょか>割り水 となりそうです。お好みによって割り方、温め方を変えて楽しめるのも焼酎の魅力ですね。

ストレート、ロック、お湯割り、そしてお燗…
様々な顔を持つ焼酎に、今日もノックアウトされてしまいました。皆さんもぜひお試しください!

投稿者 Admin : 2005年02月12日 21:22


こだわり居酒屋仕掛け人が語る「焼酎の飲み方」に注目!

料理との相性

本格焼酎とくに芋焼酎がブームになって久しいが、焼酎の望ましい飲み方についての知識はどれくらい浸透しただろう?実は焼酎という飲み物は、温度や水での割り方によって全くその味わいが変わっていくのだけども、それが一般に伝わっているかどうかというと非常に怪しいと思う。

なので今回、そうした飲み方について、プロに教えてもらうことにしました!教えてくれるのは日本酒居酒屋仕掛け人である工藤卓也氏。彼は、20代後半の時分に、当時珍しい日本酒を燗で飲ませる居酒屋「五穀家日本橋店」の店長として脚光を浴びた人なんですね。実はこの頃、僕と彼は気が合い、兄弟分の付き合いをすることにして今に至ってます。

日本酒特に純米酒は、冷やで飲むのが旨いと思っている人が多いのだけど、燗にするのが一番美味しい飲み方だと思う。冷たいものを飲むと人の舌の味蕾は閉じてしまい、味をきちんと感じることができない。燗にすると、様々な旨味を感じるようになる。例えばキンキンに冷やしたコカコーラは美味しいと思うけど、常温のコーラを飲んでみて欲しい。きっと耐えられないほど甘ったるく不味いと思うはずだから、、、つまり、冷やした時に最適になるように設定されているのが大半の清涼飲料水なのです。従って、冷やして飲んで美味しい酒は、疑ってかかった方が良いというのが僕の考え方なんですね。

「純米酒は燗にするのが一番!でも、焼酎もそうだって知ってました?」

工藤ちゃんは実は有名な食関連の雑誌で、焼酎飲み比べ座談会のメンバーとして登場した程の経歴を持っています。今回、京屋の焼酎6種を飲み、最適な飲み方を色々と教えてもらったのです!工藤ちゃん、色々教えて!

「はいはい、では芋焼酎のおいしく飲む方法の基本をお話ししますね!まず原則として、ロックはあまりお勧めしません。」

バーなどではロックで飲まれることが多い本格焼酎ですが、これはなぜ?

「日本酒と同じです。冷たい飲み物はのど越しと切れを味わえますが、立ち上がる香りは押さえ込まれてしまいます。例えば缶コーヒーの自販機は冬はホットになりますが、夏に飲むより甘くて香りがあると思いませんか?逆に夏に飲むと切れがあり、ゴクゴクと飲めると思いませんか?このように、冷たい飲み物は、味わいや独特の香りが封じこめられてしまうきらいがあるのです。  これが、ロックをお勧めしない理由。ただ、『芋の香りが今ひとつ得意じゃない』という方にはいいかもしれませんが、、、」

なるほどぉ。そういうことですか、、、では、理想的な飲み方はどういうものなの?

「はい、あくまで僕の感覚ですが、焼酎はまず最初の一杯目では、ストレートで飲むのがいいでしょう。それも、焼酎の持ち味と香りを楽しむためにも『ごく少量』を飲むに留めましょう。量が多いと、どうも気が大きくなって流し込んでしまうので、味わいにくくなるんですよ。」

なるほど!ロックグラスみたいなのに芋焼酎を少量入れて、転がすようにして香りを立たせて楽しむといいんだね!ではその次は、、、?

「はい、焼酎本来の味と香りを楽しんだ次は、お湯割りで飲む!実はそれこそが、芋焼酎ならではの旨味を十分に味わえる飲み方だからです。焼酎を割るお湯は、必ずガス火で沸騰させてください。電子レンジで沸騰させたお湯は、芋の持つ味わいが壊れるので、辞めた方が良いですね。  お湯割りにした時の温度の基本は「44度~48度」がおすすめです。このため、割るお湯の温度は一端沸騰させた後、60度~70度くらいに冷ましておきます。そんなに熱くないでしょう?」

へええ そうなのか!

「はい。お湯が適温になったら、焼酎より先にお湯を器に注いで下さい。それから、ゆっくり、ゆっくりと焼酎を注ぎます。基本は、焼酎6:4です。ただしこれは焼酎のアルコール度数が25度の時の割合です。6:4で割るとだいたい度数が16度位のお湯割りになります。そして、温度は45度くらいになるのが理想的ですね。」

ということで、工藤ちゃんに教わったとおり、僕もやってみましたお湯割り!思ったよりぬるめにするんだなぁ、いつも熱い湯でわっていたけど、、、と思ったのだけど、言われたとおり45度くらいのお湯割りを飲んでみると、ビックリするほどに豊かな芋の風味がフワリと立ち上ってきました!なんていうのか、熱々のお湯割りでは感じられない繊細でふくよかな味と香り。美味しい日本茶を煎れる時も熱々にしないように湯冷ましするけど、焼酎もそうだったとは知らなかった!?

「飲み物は全部そうなんですよぉ!飲む時の温度で印象が全く変わるんです!舌の味蕾が一番その飲み物を感じられる温度にするんです。冷やでしか飲まない人がいますけど、もったいない!温度によって千変万化する酒の世界を知って欲しいですね。」

よーくわかりましたぁ!
さて、そうすると水割りなんかだとどうなるの?

「んー 冷たすぎない温度で水割りにすると、ストレートで飲むよりも香りが引き出されることもあり、美味しくは飲めます。けれど、問題が多いのもこの飲み方です。それは、水そのものによって味が決まってしまうということなんです。まずい水、例えば質の悪い水道水で作ると、酒ではない匂いがついてしまいがちです。一番理想的なのは、その酒を造っている蔵本から『仕込み水』を入手することでしょう。ただ一般にそれは難しいので、ミネラルウォーターで超軟水の水質のものを使うといいでしょう。  作り方ですが、焼酎と水の温度が低い状態では混ざりにくいという特質があります。ですから、グラスに先ず焼酎を入れ、次に軟水を入れて混ぜ、最後に氷を入れましょう。氷は少し溶けたものを使ってください。」

ふぅうううううん
知らなかったぁ、、、
いつもは氷を先に入れてしまうけど、それではダメなのね。了解、了解!

「最初に説明した通り、僕にとっては焼酎にはお湯割りが一番と考えます。ただ、本当に美味しいお湯割りを作る場合、もっと手の混んだ造り方をします。まず、事前の準備段階として『割り水』をします。水と焼酎をあらかじめ割った状態で、長ければ1ヶ月くらい寝かせておくんです。そうすると、アルコールと水の分子がうまく馴染んで、飲んだ時の味のなじみ具合が素晴らしい状態になるんです。これは、割り水したものと、その場で割ったものを飲み比べすればはっきりとおわかりいただける違いなんですよ。

で、この割り水した焼酎を、徳利にいれて湯煎にし、45度くらいの温度にして飲むのが最高です!焼酎って、飲み方で本当に色々変わってくる。色んな飲み方をしてみてくださいね。」

これ、知ってました??
僕は工藤ちゃんに飲ませてもらって、もう眼からウロコが落ちまくり!割り水の期間も、長ければ長いほどなじんで、刺激がこなれてきます。一口に言えば飲みやすくなる。だから、強い刺激が欲しいひとは、割り水期間を短めに、例えば前日の夜くらいでもいいかもしれないですね。

さて、最後に工藤ちゃんに、京屋酒造さんの焼酎を飲み比べてもらいました。仕込み水を送ってもらって、3時間くらいかけてテイスティングをしてもらってしまった!

「僕が気に入ったのは『かんろ』ですね。 ストレートで飲むと、芋の心地よい甘い香りと風味がします。 ロックで飲むと、ストレートで飲むよりも風味が引き立ちました。これは、適量の水分がとけ込んで香りが開いたのでしょう。 水割りですが、水道水で飲むと美味しくありません。京屋さんから送って頂いた仕込み水を使うと一変、グイグイ飲めそうな甘さと旨みが出てきます。 お湯割6:4にすると、とても旨い!芋の旨みが味わえました。 食べ物の相性ですが、茄子の煮浸しや揚げ出し豆腐といった、油を使った和風の味に合うと思いますね!

その他だと、『スーパーライトかんろ』はお湯割りに合います。『かね京かんろ』は食中酒に向いた香りがしますね。

以上、参考にしてくださいね。」

なるほど、相性の良いメニューまで教えてくれてどうもありがとう!

ちなみに工藤ちゃんは今年、日本酒・焼酎そして旨い肴を食べられる居酒屋を出店予定です!その際にはこのblogでも告知できたらと思います。早くしてね!

投稿者 Admin : 2005年02月02日 00:06


芋焼酎を調味料に、豚の角煮を作ってみた

料理との相性

皆様、新年おめでとうございます。ちえです。

今年もやまけんさんとともに、焼酎のよさをいろいろな面からご紹介できればと思っております。
どうぞよろしくお願いします。

さて、前回のエントリでは田崎真也さんの著書「本格焼酎を愉しむ」(光文社新書)から以下の一文をご紹介しました。

「芋焼酎特有の香りは、豚肉や鶏肉の香りを引き立てる効果があります。 豚や鶏の飼料は穀類です。ですから豚や鶏の脂は、穀類が熟成したような香りになり、穀類や芋の蒸れたような香りを持つ芋焼酎とは相性がいいのです。」

これは料理と合わせて飲むことを考慮に入れた一文ですが、料理との相性がいいのなら、いっそ入れてみてしまおう!ということで、今回は京屋酒造の「京屋時代蔵かんろ」を使って、豚の角煮を作ってみる+角煮と一緒に飲んでみることで、料理との相性を探ってみたいと思います。

「京屋時代蔵かんろ」は、宮崎紅芋を使い、常圧蒸留、黒麹で醸した一品。芋の強い風味と、黒麹由来のピリッとした後味が特徴の焼酎です。はっきりいって料理に入れるのはもったいないほど美味しい焼酎。

この焼酎を入れようと思ったヒントは、沖縄の「ラフテー」(沖縄風豚の角煮)でした。ラフテーを作るには泡盛を使います。泡盛は、皆さんご存知のようにタイ米を原料に、黒麹で醸したピリッとした風味が特徴のお酒です。この泡盛と京屋時代蔵かんろは黒麹を使っており、風味が強くクセがあるというところが共通項ではないかな?と思ったのです。

しかもこの焼酎、豚肉の香りを引き立てるという芋焼酎です。これはひょっとしたら、ラフテーよりうまいものができちゃうかもしれないですよ!

では、早速作るまでの様子をレポートいたします!今回はフィスラー社の圧力鍋を使って調理しました。また、量は大体の目安です。もしこれを参考に作られる場合は、圧力鍋のメーカーによっても調理時間や味のしみこみ方が変わるので、状況に応じて調節してくださいね。

s-chouri2.jpg1.豚バラ肉(500g)を圧力鍋に入れ、水を加えて蓋をせずに強火にかけ、ゆでこぼします
s-chouri3.jpg大根(1/3本を2cmの厚さの輪切りにし、それを4つに切ります)、長ネギ(緑の部分も含め、1本をぶつ切りにします)、生姜(1かけを薄切りにします)を1.の鍋に加え、ひたひたの水を加えて蓋をし、強火にかけます。
s-chouri4.jpg圧力がかかったら5分間そのまま火にかけます。5分後に火からおろし、水をかけて急冷します。
s-chouri5.jpgここで調味料を入れます。今回は砂糖大さじ3くらい、醤油80ccくらい、そして京屋時代蔵かんろを200ccと大量投入した上で、さらに強火にかけます。

(今回は2.5リットルという小さいサイズの圧力鍋で作ったため、調味料を入れると鍋が一杯になってしまいそうだったので、250ccほど、鍋の中のスープを取り除いてから入れました。もちろんこのスープは無駄にすることなく、塩・胡椒で味を調えて、長ネギの千切りとワカメを加えてスープとしていただきました)

圧力がかかってから5分後、火からおろして蓋が自然に取れるようになるまで自然に冷まします。

今回は鍋が小さいのでここで大鍋に入れかえ、しめじを入れて軽く煮込みました。そして味を見て必要があれば醤油などで味を調えて、完成です!

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肉や大根は、箸でつかむとほろほろと崩れてしまいそうです。大根の色からも、味のしみ具合は分かります。

kakuni.jpg

そして盛り付けたのがこれです。下に敷いてある野菜は「あしたば」を茹でたものです。

さあ、味見と行きますか!

肉は見た目にたがわず、とろとろです。まったく臭みはなく、そしてほのかに栗やカシューナッツのような、木の実系の香ばしい味がします。これがおそらく、芋焼酎由来の風味なのではないかな?と思います。

そして京屋時代蔵かんろのロックとあわせてみました。この焼酎は黒麹でつくられているせいか、泡盛に似たピリリ感があります。これが角煮の脂っぽさをさらっと流してくれる気がします。そして、ピリリの後に追いかけてくるほんのりとした甘さが、角煮の上品な甘さと相乗するのです。

うん、これは大正解の組み合わせです!

「芋の香りが身上の芋焼酎を料理に入れるなんて、もったいない!」と思っているあなた、だまされたと思って入れてみませんか?今までとは違う、新しい焼酎の楽しみ方が見つかること請け合いですよ!

投稿者 Admin : 2005年01月10日 01:03


焼酎ってすごい!いろいろなところで使われる焼酎を調べてみた

kame.jpg
皆さん、そのまま飲むこと以外に焼酎がどのような使われ方をされているかご存知ですか?広口瓶に果実を入れ、焼酎を注いで数ヶ月熟成させればリキュールができますね。ではそれ以外では?

…なかなか思い浮かばず、うーんと唸ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は今までとは趣を変え、「飲む」以外に焼酎はどんなところで、どんなふうに使われているのかを調べてみました。様々な顔を持つ焼酎の魅力を掘り下げていきましょう!


■みりん

みりんには実は原料に焼酎が使われているのです!とはいっても、「本みりん」と呼ばれるものにだけ使われているのですが…。

「みりん」と一言でいっても、実はいろいろあります。大きく分けると3つ。「本みりん」と、本みりんを焼酎で割った「本直し」、そして正確にはみりんではないのですが、「みりん風調味料」というものがあります。そして本みりんには、「純米本みりん」と「増醸本みりん」の2つに分けられます。純米本みりん、増醸本みりん、みりん風調味料の違いは以下のとおりです。

純米本みりん 増醸本みりん みりん風調味料
もち米、米麹、本格焼酎を原料に長期間熟成させたもので、アルコールは14% 原料にもち米、米麹、醸造用アルコール、糖類を使い、熟成させたもので、アルコールは14%。 はブドウ糖、アルコール、発酵調味液、化学調味料などを調合してつくるもので、アルコール分はほとんど含まず
参考資料:酒匠(さかしょう)講習会テキスト

同じ「みりん」と名前がついていても、いろいろ製法が違っているのですね。先日私は酒匠(さかしょう)という、きき酒師の上位資格を取るための講習会でこの「みりん」の話を聞いたのですが、みりんに焼酎が使われることも知らなかったので驚きました。

特に「三河みりん」と呼ばれる愛知県碧南市(三河地方)で造られるみりんは、近隣の酒蔵から出た酒かすを用いた本格焼酎、粕取り焼酎を使うことで、豊かな味わいを実現させているそうです。

みりんには焼酎が入っている。そしてみりんは料理に大活躍、ということは、もちろん焼酎単体でも料理にも使えるということですよね。…ということで次に紹介するのは…

■料理にも使える焼酎!

焼酎は日本酒の代わりとして煮物に入れると味にまろやかさが出ます。どんな焼酎でも料理に使えますが、特にほんのりとした甘い香りの黒糖焼酎は、甘辛く煮付ける日本の料理全般に使えそうです。

また、芋焼酎を豚肉や鶏肉の煮込みに使ってもよいのではないかと思います。ソムリエで焼酎好きでもある田崎真也さんは著書「本格焼酎を愉しむ」(光文社新書)でこうおっしゃっています。

「芋焼酎特有の香りは、豚肉や鶏肉の香りを引き立てる効果があります。
豚や鶏の飼料は穀類です。ですから豚や鶏の脂は、穀類が熟成したような香りになり、穀類や芋の蒸れたような香りを持つ芋焼酎とは相性がいいのです。」

これは料理とお酒を合わせたときの相性のお話ですが、食べながら飲んで合うなら、入れても相性がいいはず!ぜひ試してみたいですね。


■柿の渋抜き

焼酎は、渋柿の渋みを抜くのにも使われます。渋柿の「へた」に焼酎をつけて、へたを上にしてビニール袋に入れ、密封して1週間ほどおけば、あらふしぎ、甘~い柿に変わってしまいます。私が小さい頃は、母がこの「渋抜き柿」を良く作ってくれました。普通の甘い柿よりもまろやかでやわらかくて、おいしかったのを思い出します。

柿の渋みはタンニンという物質です。渋柿はこのタンニンが唾液に溶ける形(水溶性)になっていますが、焼酎のような高アルコールのものにつけると、唾液に溶けにくいものに変化してしまうのだそうです。だから渋みを感じなくなるのです。原理だけで考えれば、高アルコールのお酒ならどのお酒でも渋抜きはできるわけですが、焼酎の色、香りが控えめなところが柿の味を邪魔しないため、伝統的に使われていたそうです。

焼酎の威力、見直しちゃいますね!

(参考文献:なぜなぞ科学:渋柿が甘くなるのは(毎日新聞)

焼酎はただ飲むだけでなく、昔から生活に根付いて様々な形で使われているんですね。調べてみて、こんないろいろな顔を持つ焼酎をますます好きになりました。

皆さんもいろいろなところで使われている焼酎を調べてみてはいかがですか?そして「こんなのを見つけたよ!」という発見がありましたらぜひご連絡をお待ちしています!

投稿者 Admin : 2004年11月28日 01:55


のんべえ川柳 ちえの10選 第2弾

のんべえ川柳


さて、相変わらずの盛り上がりを見せているのんべえ川柳。皆さん力作揃いで選ぶのに苦労してしまいますが、またまた私、ちえが「これは!」と思ったものを10句ご紹介しようと思います。

<のんべえ川柳 これまでご応募頂いた作品はこちらをご覧ください>
http://www.kyo-ya.com/nonbe/list.html

今回は「のんべえの王道」シリーズと称し「わかっちゃいるけどやめられない…」といった共感がもてる句を集めてみました。

川柳■全快を あの焼酎が 待っている
■奢られて そっと差し出す 三杯目
■百薬の長と思えば気が緩み
作者:アイ・エス・オーさん

私も以前1週間入院したときがありましたが、治って退院したときの1杯は格別でした。やはり健康でおいしく飲めるのが一番。それに、奢られて飲むお酒は、最初は遠慮しようと思ってはいてもついつい杯が進んでしまいますよね。そしてほどほどに飲んでいる限りは確かに「百薬の長」。血行もよくなるし体も温まるし、いいことがいっぱいです。そうやって私も日々自分に言い聞かせていますよ!


川柳■開栓は 次の一本 買ってから 作者:Hamtonさん

ぷぷ。そりゃあもちろんそうですとも!だって栓を抜いたら最後、すぐなくなってしまいますからね。もう一本買っておかないと続けて楽しめませんものね。(こういうことをいっている時点ですでに「百薬の長」のレベルの消費量ではなくなっていることは目に見えていますけどね…)

そして極めつけはこれ!


■腹の子に 焼酎呑むのを 請うワタシ 作者:yukakoさん川柳

だ、だめですってば!!!産むまではひたすらガマンです。でも、そんなママのDNAを持った子は相当なのんべえになる素質十分ですね。確かに私も、10ヶ月も禁酒できる自信はないかも…。自分が同じ立場だったら、赤ちゃんに同じことを請いそうな気がしますね。


■飲まれても 飲まれてもまだ 飲まれてる 作者:ぼうやさん川柳

リズミカルにのんべえの悲哀を語ってくれました。二日酔いの朝、「こんなに辛いならもうお酒なんていらない!」と思っても、夜になるとやっぱり恋しくなってしまう。人間は弱いものです。


川柳■元気かと古希の祝いの甕届く
■酎の味忘れる程は呆けてない
■ストレート腹で薄める今朝の水
作者:どぶろく(白水)さん

古希(70歳)にして、「ストレートを腹で薄め」ていらっしゃるとはかなりのものですね。やはり健康の秘訣は焼酎なのでしょうか。私もいくつになっても酎の味を忘れずに元気ですごしたいですね。

そして最後は、どぶろくさんのことをいっているような一句を。


川柳■百薬の 酎を身体で 証明し 作者:かよ姫さん

これぞのんべえの鏡!真の「のんべえ」は、飲みすぎて体の調子を壊し、「ほら、やっぱりいったこっちゃない」といわれるのを良しとはしません。楽しく、ほどほどに飲んで、健康に、幸せに生きているということを身体で証明したいものです。


いかがでしたか?のんべえ川柳の締め切りは12月15日。まだまだ間に合います。みなさんの熱い思いを川柳にのせてみてください!

ご応募、お待ちしております。

投稿者 Admin : 2004年11月28日 00:56 | コメント (3724)


六本木Bar Abbyにてへベスリキュールのカクテル二種を味わった

突撃潜入

ご存じだろうか、「へベス」という名前を、、、?
関東、いや関西でも知らない人が多いであろうこのへベスとは「平兵衛酢」と書く宮崎特産の柑橘(かんきつ)品種だ。京屋酒造では、このへベスを麦焼酎に漬け込みリキュールにした「Hebess Ronde(ヘベスロンド)」を出している。この辺のことは利き酒師ちえさんの前回の記事にも書いたとおりだ。

僕が2年ほど前に京屋酒造を訪れた時、蔵人のひとりが僕に、濃い緑色の拳より少し小さいくらいの柑橘をみせてくれた。

「これ、なんだかわかります?」

「わからないよぉ」

「平兵衛酢っていうんですよ!独特の香りと酸味がある、日向の特産品なんです。いま、これを使った酒を研究中なんです!」

と得意げに教えてくれた。その結晶が実を結んだのが、このヘベスロンドなのだ。薄緑色の綺麗な、上品な甘口リキュール、、、この新商品、すでに人気が高いらしいのだが、実はこれをカクテルにして飲ませてくれる店がある。それが今回紹介させて頂く六本木「Bar Abby」だ。

実を言うと、この「Bar Abby」は、京屋Webの関係者の間では、やたらと稼働率の高いバーである。それはなぜかというと、ずっと前から京屋の焼酎、特に「甕雫」を置いており好評を博しているからだ。

「僕が宮崎出身だからというのもありますけどね。芋焼酎の旨さをもっと沢山知って頂きたいと思って、店には出しているんですが、お客さんの評判は無茶苦茶いいんですよ!」

というのは、このAbbyの店長である今村頼輝(いまむらよしてる)さんである。

現在も青山にある素晴らしいバー「Top Note」に在籍している時に京屋の焼酎を持ち込まれ、その味に驚嘆してから、日向生まれの血が騒ぎ出したのだろうか、京屋の焼酎を色んなイベントで使ってきたそうだ。

「以前、京屋さんから48本もの甕雫を仕入れて、それを大きな特注の瓶に入れて、系列店と一緒にお客さんに飲み放題していただくという企画をしました。大盛況で、ほとんど空いてしまったと思います。甕雫は飲み口がいいので、都会の方には合うのだと思いますね。」

そんな今村さんに、ヘベスロンドを使ったカクテルを作って頂いた!今回はそのレシピを一挙公開だ!

「レシピって言っても、すごく簡単なものですよ!ベースのリキュールが旨いので、手を加えすぎない方が旨いんです。」

といいながら教えてくれたのが、下記の二種だ。

1.へベス・クバーノ
 これ、実は名カクテルである「ソル・クバーノ」のアレンジだ。ソル・クバーノは、日本のバーテンダーが創作し、世界でも愛されているカクテル。ラムがベースになったそれを、ヘベスロンドをベースにしているのが今回飲ませて頂いたへベス・クバーノだ。

■へベス・クバーノのつくり方

(1)ロックアイスを作る。コップにちょうど収まりがいいように、3~4個入れておく。

(2)ヘベスロンドをコップに半分注ぐ。


(3)生グレープフルーツを手で絞った果汁を用意。これをグラス3分の1程度注ぐ。


(4)トニックウォーターを、グラスの縁まで注ごう。


あとは、これをステアしてできあがりだ。

どうだろう、非常に簡単だが、これでへベス・クバーノのできあがりだ。

薄緑色の美しい見た目と、グレープフルーツの爽やかで少しほろ苦さのある香りが、へベスの香りと相まって素晴らしい!ヘベスロンドはかなり甘めの酒なのだが、グレープフルーツを足すことによって、甘みが緩和され、大人の味に昇華されるのだ。

「ヘベスロンドはとても上品な味だと思います。バーテンダーとしては面白いですね。皮の苦みとか、ヘベスの香りを少しずつ残していて、いい状態を保っている。リキュールとしてはそのまま飲むにもいいと思います。ロックで飲むとよりいいですね。おそらく、ベースの焼酎にいいものを使っていると思いますよ!
山本さん、もう一品面白いのを作ったんですよ。飲んでみてください!」

と言って、やにわにキュウリを取り出しスライスし始める今村氏。薄切りにしたキュウリを今度は、やや大きめのみじん切りにし始めた。

「これは、、、へベス・キューカンバーとでも名付けましょうかね。」

2.へベス・キューカンバー

■へベス・キューカンバーのつくり方

(1)みじん切りにしたきゅうりをグラスに入れる。



(2)キュウリをステア用のスプーンで潰れない程度に押しつけ、果汁と香りを出す。

(3)ヘベスロンドを適量注ぐ。キュウリの香りが感じられる程度の量に。そしてステア。


(4)細かめのクラッシュアイスを満たし、キュウリの薄切りを添える。


出だしから意表をついたこのカクテルを一口含む。

ヘベスロンドをそのまま飲んだ時には甘い香りと糖分が感じられるだが、キュウリが入ることによって爽やかで強い清涼感が眼前に現れた!これはびっくり、素晴らしい相性だ。キュウリは瓜だからその独特の香りが強いものだけど、柑橘を合わせると青臭さがなくなり、ヘベスロンド自体をもっと上品なものに押し上げてくれる。

「これはビックリですよ、すごくすっきり、上品になりますね!」

「そうでしょ?実はこれ、常連のお客さんと一緒に考えたんです。ただのリキュールとして飲むだけじゃ面白くないなぁ、、、そうだ、キュウリと合うんじゃないの?って。ドンピシャでしたね。」

いや、ほんとうにビックリである。Abbyを訪れることがあればぜひ頼んで頂きたい。意外性が高いが、実は正統派の味になるのだ。脂モノを食べた後などには、口元が涼やかになること請け合いだ。

ヘベスロンドは、実はアルコール度数30度の強いお酒だ。なにも腹に入れずに飲み出したので、すぐにほろ酔い気分になってしまった。酔ったついでに今村さんのこれまでのヒストリーを聴いてしまう。

「僕は宮崎県の佐土原町というところで生まれました。学生の頃に飲食関係のバイトをしていて、まあ簡単にいえばバーテンダーってモテルんじゃないかと思って(笑)。卒業後、知り合いのバーテンダーさんに相談したら、料理を覚えろって言われたんです。それで神戸の元町のレストランで働き始めたんですね。そうしたら、震災が来たんです。もう街全体がガタガタで、バーテンダーどころじゃありませんでした。その頃、東京のバーテンダースクールを紹介されたんです。一念発起して東京に出てきて、青山「Top Note」に出会ったんです。オーナーの武蔵さんにお願いしたら「おいでよ」と言って頂いて、、、それから僕のバーテンダー人生が始まりました。」

今村さんが青山TopNoteにいる時代に、僕も数回寄らせて頂いた。その頃から元気のいい日向の熱っぽいエネルギーが、客席にも伝わってきたものだ。

「この店は、2003年5月から開店です。店舗自体は昔からあるのですが、オーナーさんからTopNoteのオーナーである武蔵に『店を引き受けて欲しい』というオファーがありまして、、、それで僕がアサインされたんです。この店は、インテリアデザイナーとして著名な内田繁さんがデザインした店なんです。こんなにスゴイ店を任せて頂けるのは名誉なことなので、頑張っているところです!」

すでに六本木では人気店となっているAbbyは、生のジャズピアノの演奏が聴けることでも有名だ。六本木とは言っても、喧噪から少しはずれたところにある玄人好みの店であることも幸いしている。客席は落ち着いており、酒を楽しむ客が立ち寄る店として確固とした位置を保っているのだ。

「京屋さんの焼酎は、本当のことを言うと、『かんろ』などの伝統的な焼酎が好きなんですよ。地元の人間から観ると、芋臭いのが好きなんですね。でも、地元以外の方、特に関東の方には、甕雫がとても飲みやすいと思います。クセが無くて、上品で、、、水を少し垂らすと香りも立ってきます。ウチに寄ったら、ぜひ一度お試し頂きたいですね。もちろんへベスカクテルもいつでもお出ししますよ!」

この取材をお願いしたのは月曜日の午後6時という、普通なら誰も酒を飲みに来ないような時間だったにもかかわらず、僕らが話をしているうちにお客さんが入ってきた。夜のスターターに一杯という感じだろうか。目配せをしながら今村さんがビールを注ぎにいく。

クールで確かな技量と熱い日向魂。この二つが合わさり、絶妙な京屋焼酎のカクテルが生まれる様を、とくと見せて頂いた。喧噪と幻惑の街・六本木に、静かに京屋の旨い焼酎の息吹が伝わっている。京屋ファンの方には、ぜひ一度訪れていただきたいものだ。

■Bar Abby
東京都港区六本木7丁目8-2 アルカサール八木8F
03-3408-1367
18:00~02:00
日・祝日 休み

投稿者 Admin : 2004年11月16日 20:13


多摩川のほとりにある癒し系バーで、焼酎の飲み比べ

突撃潜入

kanban.jpgつい数ヶ月前の暑さが嘘のように、肌寒い日々が続いていますね。こんな時期には暖かい部屋で飲む温かい焼酎が格別です。

さて、そんな寒空の下でも南国の雰囲気を味わえるバーが、今回の突撃取材先、「CAFE SUNSET BEACH」です。やまけん氏による「Bar オーパ 門前仲町店」への突撃に続く第3弾は、私の地元のカフェバー、「CAFE SUNSET BEACH」をご紹介します。

手前味噌ですが私の地元、川崎市登戸はオーガニックレストラン&カフェや、おしゃれなカフェバーなどが最近増えてきている注目の街です。また、近くに明治大学、専修大学があるせいか、学生向けの安くておいしい食事どころもたくさんあります。電車だと新宿から急行で約20分と、都心からのアクセスもなかなか良いです。近くには多摩川があり、のどかな風景が楽しめます。

■CAFE SUNSET BEACH
〒214-0014
神奈川県川崎市多摩区登戸1728
tel:044-933-8505
営業時間:午前11時半~深夜2時
定休日:日曜、祝祭日

都心から車で世田谷町田線を町田に向かい直進した先にあるこのお店は、都心の喧騒を離れた多摩川のほとりにあります。「海の家」のようなゆったりした空気が店内には流れていて、外は冬に向かっているということを忘れてしまいそうです。

kabocha.jpgハロウィンが近い中お邪魔したので、カウンターにはかぼちゃのディスプレイが賑やか。そして店内にはイチロー似のマスターが!(かなり似ています。ぜひ顔写真を!とお願いしたのですが…。「いやいや…」とお断りされてしまいました。マスターに会いたい方はぜひお店で!)

このお店ではカクテルはもちろんのこと、本格焼酎や日本酒、そしてハワイのコナビール、メキシコのコロナビールなど、様々な飲み物が楽しめます。

さて、今回も前回と同様、マスターに試飲いただいたのは以下の焼酎です。お家でくつろぎながら、ロックで試飲いただいたとのこと。

shouchu.gif

■飲んだ印象はいかがでしたか?

甕雫はクセがなくて飲みやすい焼酎ですね。スーパーライトかんろはやや辛口な印象をうけました。かね京かんろはフルーティで女性に好まれそうです。うちのメニューでいうと、アボカドとトマトのサラダなんかが合いそうですね」

tomato.jpgアボカドとトマトのサラダはこちらです。アボカドとトマトを切って、塩とレモンで食べるシンプルなもの。アボカドのねっとりしたコクをレモンがスキッと洗い流してくれる、爽やかな一品です。そして塩とレモンによってトマトの甘さが引き立って美味しい!このようにシンプルな味付けのものには、確かに低温で蒸留されたフルーティな焼酎がよさそうです。お互いが味の邪魔をせず、調和しそうですね。

■では、残りの焼酎はいかがですか?

かんろは辛口、すっきり系で、刺身などに合いそうですね。特選かんろも辛口ですが、かんろと違って芋の香りが強くでている気がします。男性的な酒だと思います。時代蔵かんろは甘口で深みがあります。一番気に入りました。うちのメニューにはないのですが、グラタン、チーズ系など、とろみとコクがある料理に合いそうですね。」

なるほど!焼酎にグラタンとは意外でした。でもお話を聞いていると、確かに料理に負けない強さを持ったお酒なので合いそうです。試してみたいですね。

マスターのお話を聞いていると、前半のABC(低温蒸留のもの)は女性的なやさしい感じで、前菜などの軽い食べ物に合いそう。後半のDEF(高温蒸留)は男性的で力強い感じで、しっかりした食事系の食べ物に合いそう、というカテゴリー分けができそうです。

■焼酎をカクテルのベースにすることはありますか?

純度が高いホワイトリカーならありますが、素材の味が強くでている本格焼酎は、他のものと割るよりもそのまま楽しむほうがいいと思いますね。でもあえて使うのであれば、比較的クセが少ない麦焼酎がいいかと思います。

今カクテルのベースとして主流になっているのは、ニオイが少なくてクセのないウォッカです。他に混ぜるものの邪魔をしないからです。本格焼酎の中で比較的ウォッカに似ているのが麦焼酎ですかね。

ふむふむ。確かに本格焼酎を他のもので割ってしまうのは、せっかくの素材の味を殺してしまうことになりかねないので、もったいない気がしますよね。

今回、マスターはこれらの焼酎を家で鱈の甘露煮と一緒に召し上がったそうですが、どの焼酎にもぴったりだったそうです。食中酒の王、焼酎。恐るべしです。

どんな料理にも合ってしまうがゆえに、特にぴったりの料理をピックアップするのは結構大変だったのではないかな?と思います。お忙しい中、難しいピックアップにご協力頂き感謝です!

何にでも合ってしまう焼酎に、あえてさらに上を行くぴったりの相性を探求する。そんな難しいけど面白い実験を、これを機にあなたもしてみませんか?

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(お知らせ)
私ごとで恐縮ですが、このたび社団法人 日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの試験に合格しました!ワインの勉強で得た、料理とお酒との相性に関する知識や、お酒の歴史の知識などを生かしつつ、皆さんのお役に立てるような記事がかけるよう、ますます精進しますので、今後もよろしくお願いします。

投稿者 Admin : 2004年10月30日 02:52